あいちトリエンナーレ2013 in岡崎

台風一過の今日、午後から「あいちトリエンナーレ2013」岡崎エリアへ行ってきました。
今回は、こどもが産まれてから初のトリエンナーレということで、自分とアートの関わり方がどう変化したのかという点も楽しみのひとつでした。

あいちトリエンナーレ2013/岡崎エリア



青木野枝「ふりそそぐもの/旧あざみ美容室」


最も印象的だった作品は、向山朋子+ジャン・カルマンによる「FALLING」です。
暗闇に包まれた空間に、堆く積まれた新聞紙と時折調べを奏でるピアノ。轟音と気流を生むファン、明滅するライト、彷徨う人影。
映画のワンシーンとして既視感を感じると思いつつ、作品の終点へ向かうとそこには座席と映画のスクリーンのように切り取られた窓が、先の空間に向けて開かれていました。
物語の体験と、それを切り取って俯瞰する視点がそこにはありました。
見る者と見られる者、両方の役割を鑑賞者自身が請け負うという面白さもあります。

さて、こどもとアートという視点で岡崎エリアの会場を見てみた場合はどうでしょう。

ひとつは、身体感覚を使って理解するタイプのアートが楽しめるのではないかと思いました。

岡崎エリアでいえば、先に述べた向山朋子+ジャン・カルマン「FALLING」、他には栗原健太郎+岩月美穂「Roof」、平川祐樹「Missing River」が挙げられます。

「FALLING」には、暗闇・音・気流・人の気配・光。
「Roof」は、眩いまでに白く塗られた空間・外気の流れ・網の目に限定された空間の終わり・視界の変化。
「Missing River」は、暗闇・漏れる光・踏みしめる砂利の感覚。

それぞれ、身体が何かを感じずにはいられないほど刺激的な作品なのです。

もうひとつは、目の前にある対象に関わりたくなるタイプのアートです。

青木野枝「ふりそそぐもの/旧あざみ美容室」とレッド・ペンシル・スタジオ「ふたつの断片」がそれにあたります。

「ふりそそぐもの/旧あざみ美容室」は、室内にひしめく鉄の輪があり、視点を変えることや輪を覗くことという行為が誘発されます。
「ふたつの断片」は、古木をかたどった金属板が再構築され、また、古い家屋の痕跡が宙に浮く紐でなぞられていますが、そのどちらにも実際に触れてみたいという感覚を得ます。(※作品にはふれられないのですが)

各作品については詳細に解説していませんので、分かりづらいところもあるかとおもいますが、そこは是非、会場に足を運んで体験してみてください。

こどもが初めて出会うアートは絵本という考え方もあり、絵画も親しみやすいアートといえます。
では、現代アートの場合はどうかと問うとき、今日感じたことを参考にこどもと見るものを選べたらいいなと思いました。

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