キュービクスの遊び方

ネフ社 -Naef-の名作、キュービクス
1969年、天才造形家ピエール・クラーセンによって生み出された積み木です。
こどもから大人まで楽しめる造形と色彩の美。
10cm立方体を4種類・10個の立体に分割しています。
水平に積むことはもちろん、斜めに積み上げることができます。

そんな魅力のつまったキュービクス
その芸術性の高さや高級感から、あかちゃんが遊ぶには少し早いかなと思われるかもしれませんね。

いえいえ、そんなことはありません。
0・1・2歳の幼いこどもにこそ、その数学的かつ芸術的な美しさに触れる機会を与えてあげたいと思うのです。

でも、0歳〜1歳前半の拙い手の動きでは、まだ積み木を積むことはできません。
そこで、私たちは考えました。

それは、「はめる」と「おとす」という発想でした。
実際に、息子と遊んでみると、

キュービクスの遊び方1<はめる>

キュービクスの遊び方2<おとす>

なかなか、好評でした!

これは、キュービクスの斜めに積めるという特性を生かして考案しました。


まず、キュービクスの遊び方1について解説します。

大人が用意するのは、小さな立方体を除くパーツで凹凸のある立体を作ることです。
あとは、こどもに小さな立方体を渡すと、自然とくぼみに立方体を嵌めようとします。
手先の動きが完成していないので、おおよその位置にしか置けないのですが、手を放すと重力が手伝ってストンとくぼみに嵌るという仕組みです。
きちんと嵌ると、こどもにも達成感が芽生えるのが見てわかります。

次に、キュービクスの遊び方2について。

これも、小さな立方体を除くパーツで立体をつくるところから始まります。
パーツをうまく組み合わせて、滑り台のような形を作ります。
すると、これもやはり自然に滑り台のような部分に立方体を乗せたくなるようです。
動画の立体ように、一瞬、立方体が見えなくなるように作ると尚おもしろいようです。

これはモンテッソーリ教育で用いる「玉落とし」から発想を得ています。

穴があって、手に玉があると「入れるとどうなるのだろう?」という探究心から、玉を投じたくなるのです。
「玉落とし」の場合は、玉を入れてから出てくるまでに時間が掛かる事によって、
「見えないけれど、存在する」という概念を獲得するという効果があります。
この経験を通じて、母親が傍を離れたときにも「見えないけれど、存在する」という信頼感を身に付け心理的に成長するということにも繋がるのだと言われています。

キュービクスの遊び方2は、見えなくなるのは一瞬なので、こうした心理的な成長は伴わないかもしれませんが、「見えないけれど、存在する」というシステムがより理解しやすく可視化したと思います。


キュービクスの詳しい解説は静岡にある本とおもちゃの専門店「百町森」さんのHPをご参考ください。
百町森
http://www.hyakuchomori.co.jp/naef/products/cubicus/index.shtml


キュービクス、奥深いです。
大人だけで楽しむのはもったいないと思う今日この頃なのです。


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