佐川美術館見学 パートⅡ 「心震える」

前回、佐川美術館について書かさせてせていただきました。

その中で、「心震わされた空間」について次回予告させていただきました。今回はその空間についてお伝えしたいと思います。
私が心震わされたのは、樂吉左衞門館です。杉型枠コンクリート打放しの面に降り注ぐ太陽光。何も言葉はいりません。
ただ美しいと感じました。

私はその場からなかなか離れることができず、ぼーっとしていました。すると、光は姿を変えました。
拡散していた光は、突如光線へと変わり力強く明暗を造りました。

光と闇との境界線に身を置く機会もなかなかないでしょう。

杉型枠のコンクリートの壁は杉の生きてきた年月を転写され受け継ぎ、その壁に照らされた光はもう一度コンクリートに命を吹き込む。

なんだか臭い文章になってしまいましたが、そんな気分にさせられました。でも、この設計をしたのが、
この館の本人である陶芸家「樂吉左衞門」であるのですからさらに驚きです。
個人的には、導入部分も好きです。エントランスホールから樂吉左衞門館に向かいますと、突如黒光りした床が現れます。
これはきっと、水盤を表現しているのでしょう。そうなんです。樂吉左衞門館は地下にあり、水面下に降りていくのです。
地上から水中へと入り、水中で太陽の光と出会う。そんなストーリーを感じました。

太陽、水、月日、音、恐怖、自然の持ついろんな面を体験できます。
そう思うと、陶芸をされている時の樂吉左衞門先生はきっと、想像の中で壮大な大自然の中に身を置き、
幾多の年月を感じながら、創作をされているのだろうと思いました。
建築のもつ力を感じることができる良い時間でした。私たちも、気持ちを伝えることのできる建築を目指して精進していきたいと思います。



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