ふじようちえん見学1<モンテッソーリ教育と園長先生>

欧米ではよく知られているモンテッソーリ教育ですが、日本での認知度はそれ程ではありません。
私たちも、子育てをするようになって初めて、その存在を知りました。

今回、私たちが見学会に参加した東京都立川市にある「ふじようちえん」は開園から40年モンテッソーリ教育を基本に保育をしています。
実践される教育方針は、
1>日常生活の練習 2>感覚教育 3>言語教育 4>算数教育 5>文化教育
と園のパンフレットに記されていました。

これはふじようちえんの方針に限ったことではなく、モンテッソーリ教育の5分野にあたります。
そして、Help me do it myself「私が1人でできるように手伝って」という姿勢でこどもと向き合っているのです。
園のいたるところには、モンテッソーリの教具やそれに類する玩具も多くみられました。

モンテッソーリ教育は、1907年にまで遡ることができる歴史ある教育法です。

しかしながら、ふじようちえんの建築は独創的なデザインであり、サインやWebデザインもオリジナリティーあふれる斬新なものとなっています。
それもそのはず、アートディレクターを佐藤可士和、建築家を手塚貴晴・手塚由比としてデザインされた幼稚園なのです。
そして、その共演を可能にしたのが、園長の加藤先生です。はずかしながら、ここに訪れるまで加藤園長のことを知りませんでした。
数多くの訪問者は、受付を終えると園舎の中に誘導されます。そして一度集められ見学のルールについて説明を受けます。園の中央にたって説明をはじめたのが加藤園長です。

そのお話はとてもおどろきでした。通常ルール説明というと、「これは触らないように」とか「ここには入らないように」といった話がつきものです。でも、加藤園長は違いました。「自由に見てください、そして体験してください」ということと、私たちの教育に対する考え方、そしてそれがこの建物にどう活かされているかというお話を熱く語られていました。

現在の教育は、子供にけがをさせない、不平等にならないなど親御さんからの目を気にして、どんどん監視しやすい環境に向かっているように思います。そうすることで、子供の可能性を阻害したり、過保護環境から卒業した時に社会に順応できないなどの問題もあるように思います。

でも、加藤園長のもとであればそのような過保護になることなく(放任ということではなく、先生たちの連携などで努力をされているようです)、子供が自由に遊び、自然から学び、怪我する痛みも感じ、人との接し方も身につけるでしょう。お話を聞いてそう感じました。
この園長先生がいるからこそ、この建物が成り立ち、ここの子供が活き活きとし、ここに入れたい親御さんたちがいるのだなと感じました。(このようちえんに入れるために引越しをされた方もいるお話も聞きました。)

子育ては「建物」という環境も大事ですが、人の大切さも感じた日でもありました。


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