ふじようちえん見学2<モンテッソーリ教育・実物に触れる/自らを育む>

モンテッソーリ教育では、モノの名前や性質について知るとき、こどもたちは実物に触れることで学びます。
ふじようちえんでも、へちまや瓢箪それに筍が籠に盛られていました。

こうした実物の野菜などを実際に手に取り、「筍は皮が幾重にも巻き重なっている。皮はがさがさしている。」という具合に名前と実物のイメージや色、質感、重さなどを直感的かつ総体的に学んでいきます。

また、園内にはポニーやウサギなどの動物も飼育されています。
小さな菜園もあり、自然の営みや命の温もりを体験できる環境が整えられています。


園舎にも、こどもの成長を援ける工夫があります。

例えば、照明。
裸電球が天井に取付けられていて、そのすぐ傍にヒモ式のスイッチがあります。
この幼稚園をデザインした建築家と照明デザイナーは雑誌のインタビューでこのように語っています。

「ほしいあかりのすぐそばにスイッチがある」という仕組みが原理的に見えていることによって、こどもたちが自分たちの想像力でどんどん考えて遊んでいくような使い方を期待している。※1

ロウソクの炎は近いところは明るく、離れたところは暗い。そういう自然な感覚を大切にした。※2

このように「自分で環境を変えること」「想像力を働かせること」「身体感覚に自然な働きかけをすること」に考慮してデザインされています。


次に、トイレのスリッパ置き場。
きちんと自分で並べられるように、ガイドがマーキングされています。
これは、モンテッソーリ教育の基本である”Help me do it myself”をよく表していますね。

自分でできること、それを援けること、それを楽しんで出来る環境をつくることが、とても大切にされているのだなと感じました。


※1※2は新建築2007,5に記載された内容を、抜粋かつ要約しています。
※1は建築家、※2は照明デザイナーが語ったものです。 


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